「小春川、体調…今日はどう?」


「昨日よりもいいよ…。」


「そっか…。」


「水城君は…?私の風邪、移ったりしてない?」


「大丈夫。全然、移ってないよ。」


「良かった…。」


何気ない会話。


でも、嬉しくて仕方ない。


この柔らかい空気が、心地いいんだ。


俺は、雲一つない青空を見上げた。


今日、もう一度…小春川に告白しようかな…。


授業が終わって、放課後にゆっくりと…。


「あのさ、小春川…。放課後も一緒に……」


途中まで口にしたところで、言葉を止めた。


そう言えば、俺…今日は日直なんだった。


日直となると、最後に日誌を書いて職員室に提出しに行かないといけない。


日誌、細かく書かないといけねぇから、結構…面倒なんだよな…。


書き終わるまで、小春川を待たせるのは…ちょっと気が引ける…。


「水城君、どうしたの…?」


「あ、いや…放課後も一緒に帰りたいと思って小春川の都合を聞こうと思ったんだけど、俺…日直なんだ。日誌を書くのに時間が掛かると思うし、今日は…」


「まっ、待つよ…。」


突然の小春川の言葉に、瞬きを繰り返した。