「まあっ、ついに美羽も男の子に恋しちゃったのね~!!感激だわ~!パパが出張から帰って来たら、報告しなくちゃ…!」


「えっ!?別に…しなくていいよ!恥ずかしいし…。」


「恋することは、恥ずかしいことなんかじゃなくて、素敵なことなのよ!美羽が新しい一歩を踏み出したんだもの…!」


新しい一歩か…。


確かに、そうかもしれない。


水城君に出会うまで、男の子は苦手だから関わりたくない…としか思ってなかった。


恋なんて、無縁だと思ってた。


でも、そんな私が…水城君に恋してる。


“好き”を伝えたい…って思ってる。


この変化は、私にとって大切な一歩だよね…。


…とは言っても、お母さんの過剰なはしゃぎっぷりを見てると、照れくさくなっちゃう。


熱くなる頬をパタパタと仰いだ。


「水城君とは、普段…どんな話してるの?美羽から話しかけたりしてるの?」


「あの、それは…また今度話すね。私、これから支度して、ちょっと出掛けるから…。」


「えっ…」


クローゼットの前に移動する私に、お母さんは驚いたような声を発した。