いくら男の子に苦手意識があっても、色々と気遣ってもらったんだから、お礼…言わないと。


「あ、あの……」


「ん?」


「色々、ありがとうございました…。」


大きな声でハッキリと言えれば良かったけど、結局…ぎこちなくて小さめの声になってしまった。


「そんな、畏まらなくていいから。あ、そう言えばさ…小春川の下の名前って何?」


そっか…。


みんなの前で言う予定だったけど、倒れちゃったからな…。


「えっと、美羽です……。」


「小春川 美羽か…。ちなみに、俺…水城 律矢。よろしくな。」


「は、はい…。」


コクンと頷くと、水城君はカーテンを少し開けて、そこから出て行った。