「優しいよな、律矢は。」


「は?優しいのは…俺じゃなくてお前だろ。いつも、俺の相談に乗ってくれたり、小春川とのことだって色々と気遣ってくれてるじゃん。俺、すげぇ心強いから。ありがとな…。」


「っ、律矢…。これ以上、泣かせるなっての。」


「お前が勝手に泣いてるんじゃねぇか。俺は…本心を口にしただけだ。」


キッパリと言う俺に、千景は“そっか。”と照れくさそうに笑う。


その表情を見たら、つられて俺も笑みが零れた。


「あ、早く行けよ…小春ちゃんのところ。」


「…そうだな。んじゃ、行くわ。」


千景に消毒薬と絆創膏の場所を教えた俺は、保健室を飛び出す。


確か、小春川…今日は日直だったな。


日誌とか書いたりしないといけねぇし、まだ…教室にいるかもしれない…。


俺は教室へと走り始めた。