「え、えっと…律矢君と馴れ馴れしく接するのは止めて…って言ったの。律矢君は、みんなの律矢君であって、小春川さんだけが独り占めするのは、ルール違反だと思うから…。」
そっか…。
だから、小春川は…“私ばかり”とか“みんなの水城君”って、言ってたんだ…。
「だって、小春川さん…転校生なのをいいことに、律矢君に付きまとってるんだもん…。律矢君だって、いい迷惑でしょ?あんな、地味で図々しい子。」
その言葉に、眉がピクリと上がる。
怒りのボルテージは、急激に上昇していく。
「お前ら、まさか小春ちゃんにそんなことまで言ったのか!?」
「やんわりと言ったわよ。律矢君と不釣り合いなのは事実なんだし、そういうのは本人にちゃんと自覚してもらわないと…!」
千景に強い口調で言葉を返した茶髪の女。
それを聞いた瞬間、怒りが頂点に達した俺。
「…ふざけんじゃねぇ!!」
保健室の外にも聞こえるぐらいの声で、女たちに怒鳴りつけた。


