「おそらく、それは…バレンタインチョコのことを聞こうとしたんだよ!律矢がチョコを食べれるのかどうか気になったんだって!!」


「お前な、思いっきり背中叩くなよ。加減ってものはねぇのか?」


「ほら、男は甘いチョコが苦手なヤツもいるから!ストレートに聞く子もいるけど、小春ちゃんは…控えめな感じだから、遠回しに聞いたんだと思うぜ?」


俺の主張は完全にスルーかよ。


若干…イラつく俺をよそに、千景は一人ではしゃいでいる状態だ。


「となると、バレンタインは…小春ちゃんと付き合い始める日になるのかもな!頑張れ、律矢!」


「ああ、頑張るから…お前そろそろ帰れ。CDなら、そこの棚に入ってる。なんなら、他に聞きたいものがあれば色々と漁って持って行けば?」


「えっ、いいのか!?じゃあ、遠慮なく…たくさん借りていく!」


話題をすり替えると、アッサリとCDの棚へと向かう千景。


聞きたいCDを何枚も手にとると、満足げな笑顔を見せた。