「さっきも言っただろ?小春川を前にすると緊張感が半端ないって。緊張せずに上手く伝えたいけど、それが出来ねぇんだよ。」
少し荒々しく言葉を返す。
そんな俺に、千景は呆れた様子で溜め息を零した。
「好きな子に告白する時、全く緊張しないヤツなんて殆ど居ねぇよ…。」
いつになく低い声が部屋に響く。
「それでも、自分の想いを相手に届けたいから、勇気を振り絞って頑張って伝えるんだろうが。」
「…………。」
「上手く伝えようとか、んなカッコつけたこと考えないで、真っ直ぐ気持ちをぶつければいいんだよ。声が震えても、言葉がまとまっていなくてグダグダになっても、心から伝えたい…って想いは伝わる。絶対に…。」
千景の言葉が心の奥に突き刺さるのを感じた。
確かに、そうかもしれない。
俺、言葉を上手く伝えることばかり意識し過ぎてた。
初めての告白だから、失敗しないように…って。
でも、千景が言うように…自分の気持ちを心を込めて相手に話せば、どんな告白になったとしても、想いは伝わるよな…。


