「小春川は、スイーツ…好きなのか?」


「う、うん。私は…大好き。自分で作ったりもするし…。」


「へぇ、すげぇな!」


「そんなことないよ…。」


そう言いつつも、褒めてもらったことを嬉しく感じてる私がいた。


「俺、食べてみたいな…小春川の作ったスイーツ。」


「えっ…」


ポツリと呟くように声を発した水城君。


思いも寄らぬ言葉に、目を見開いてしまった。


「あ、いや……ちょっとそう思っただけ。独り言みたいなもんだから、気にすんな。」


「うん…。」


焦った様子でクシャクシャと頭を掻く水城君にコクンと頷く。


少し照れくさそうな表情を見ながら、心は軽やかに弾んでいた。


水城君に、手作りのスイーツ食べてみたい…って、言われちゃった…。


気にするなって言われても、嬉しくて頭の中で何度も再生されちゃうよ…。


頬が緩んでいくのが自分でも分かった。


バレンタイン、心を込めてチョコレート作って渡そう。


喜んでくれるよね、きっと……。


そんな風に、前向きに考えていた私だったけど……。