確かに、その可能性は有り得る…。


卒業までは2年ぐらいあるけど、必ずしも…その間に小春川が苦手意識を払拭できるとは限らねぇもんな…。


小春川に自分の気持ちを伝えないまま卒業だなんてイヤだ。


けど、焦って告白して…困惑させたくない。


どうするのが一番いいんだよ…。


黙って考えていると、佳織は小さな溜め息を零した。


「まあ…、律矢の気持ちも分からなくはないけど、ここは…思いきって告白しちゃうのがいいんじゃない?」


「けど、突然言ったりしたら……」


「いつ告白するにしても、突然言うんだから同じじゃん。っていうか、告白することで、逆に律矢を意識してくれるかもよ?」


「そんなに上手くいくわけねぇだろ…。」


もちろん、意識してもらえたら嬉しいけどさ…。


「でも、実際に告白してみなきゃ分からないでしょ?100%上手くいかない…とは言えないと思うけどなぁ…。」


「お前、ポジティブだな。」


「律矢がネガティブなんだよ。初恋は一度きりなんだから、もうちょっと前向きに考えてみたら?」


そう言った佳織はニコッと微笑んだ。