「驚かせてごめんな。本当は、この前…小春川を家まで送った時に言おうと思ったんだけど、言いそびれたんだ…。」


「ううん、私の方こそ急に大きな声を出したりして、ごめんね…。まさか、水城君がそんなに近所に住んでるなんて思ってなかったから…。」


「そりゃそうだよな。俺も小春川の引っ越してきたところが自分の家の近くだとは想像もしてなかったから、すげぇビックリしたし。」


「うん、そうだよね…。」


こんなことも、あるんだ…。


偶然とは言え、水城君の家が近くにあるのは、なんだか嬉しいな…。


少し頬が緩むのを感じていると、何やら騒がしくなってきた周囲。


ハッとして周りに視線を向けると、廊下だけでなく教室の入り口から、私たちのことを見ている女の子たちの姿が目に映った。


かなりたくさんの人たちに見られてるっ…!


どちらかと言えば、“睨まれてる”って言い方が正しいかも…。


いたたまれなくて俯いた時、水城君が私の手を握った。