「小春川さん、本当に大丈夫?律矢のことで、何か気になることあったら、気軽に相談してもらっていいからね?」


「うん、ありがとう…。でも、大丈夫だから…。」


「そっか…!ごめんね、しつこく聞いちゃって…。じゃあ、私…ちょっと部活の先輩のところに行かないといけないから、先に行くね!」


「うん。」



眞田さんは私に手を振った後、足早に教室の方へと歩いて行った。


優しいな、眞田さん。


水城君も…優しい人だから、私が気まずいオーラを出しているのを察知して、なるべく話し掛けないように…って、気を遣ってくれてるのかもしれない。


きっと…そうだよね。


「…………。」


苦手意識を克服するための協力をお願いしたのは私なのに、水城君が話し掛けにくいような雰囲気を作り出して、どうするの…?


こんな態度とっていたら、水城君に呆れられちゃう。


好きな人と、会話ができなくなるなんて…そんなの嫌。


楽しく話せるようになるためにも、ここは頑張らなくちゃ…。