「えっ…」


さっき、小春川のこと考えていて顔が熱くなってたから、それが原因か…!?


もう、熱も治まってきたから、顔が赤いなんて思ってもみなかった…。


「マジで、赤いぞ?風邪でもひいたのか?」


「ひいてねぇし。気のせいじゃねぇの?」


内心…動揺しつつも、平静を装ってやり過ごそうとする俺。


でも、兄貴の視線は俺に向けられたままだ。


「いやいや、どう見ても赤いって。」


「そんなことねぇよ。」


「お前、寒気とかダルさ…全然ねぇのか?」


「だから、ねぇよ。しつこい。」


はぁ…と溜め息を零した途端、兄貴は急にハッと驚いたような表情を浮かべる。


「熱じゃないということは、もしや…恋?」


「は?」


「気になる女の子のこと考えて、顔が赤くなってたとか。さっき家の前でボンヤリ突っ立ってたのも、それが理由だったりして。」


「………っ…」


ほぼ的確なことを言われた俺は、思わず兄貴から視線を逸らす。


心臓がドクンと勢いよく跳ねた。