「えっ……」


思わぬ言葉にパチパチと瞬きを繰り返す。


すぐに、首を横に振った。


「そっ、そんな…送ってもらうなんて悪いよ!一人で帰れるから大丈夫…!」


「いや、暗い中…小春川が一人で帰る…ってのは危ねぇだろ。」


「で、でも…遠回りになると思うし、水城君…家に帰るの遅くなっちゃうよ…。」


ただでさえ、勉強して帰りが遅くなってるのに、これ以上…迷惑かけられない。


“一人で帰れるから…”と再び口にしたけれど、水城君は先に帰ろうとはしなかった。


「言っとくけど、小春川を家に送ることを迷惑とか思ってねぇから。このまま一人で帰らせる方が、逆に心配だし。」


「えっ…?」


それって、どういうこと…?


“心配”の理由が何か分からなくて疑問符を浮かべると、水城君はぎこちなく咳払いをした。