先生の寝顔を見つめ直したら、急に顔が熱くなってきました。

先生、好きです。

好きなんです。

わがままだってことはわかってるんです。

でも、ちょっとでもわがまま聞いてくれるのなら、先生と……

「西村さん?
なにしてんだ?」

「っ!!せ、先生……!!な、なんでもないですよ」

慌てながら後ろに下がれば、先生は不思議そうに私の顔を覗きこむ。

「なら、いいけど。それより、なんで西村さんいるの?文化祭は?」

「先生に……教えてほしいことがあって」

あぁ、ホントに私は馬鹿です。

本当は先生に会いたくて来たのに、先生に抱き締めてほしくて、キスしてほしくて……なのに言えないんです。

本当に馬鹿ですね。

「教えてほしいことって?」

言葉につまる。

「……美里、言いたいことは溜め込むなよ?
こう見えても俺は、大人だしそれに……お前のその、彼氏……だろ?」

「私は……私はあなたが好きなんです。
先生が……健さんが思ってるほど大人じゃない。あなたに会えないと辛くなるし、訳もないのに電話したくなって、でも自分からは恥ずかしくて意地はって……こんなことしてる時間ないのに勝手に来て、でも本当のことは言えなくて……ごめんなさい。
こんな可愛くない彼女で……」

先生からの返答はない。

「はぁ、ばかだなぁお前は。俺だってお前に会いたいっていつも思ってるよ。好きだよ、美里」


二度目キスはすごく優しかった。