「適当に座って」

先生の部屋。
初めて入りました。

「意外と綺麗なんですね」

「意外ってなんだよ」

思っていたことがポロっと口からでてしまったようです。

先生はため息をついた。

「……先生私、緊張してます」

「うぇ!?な、なに変なこと言ってんだよ!!お、俺はなにもしねーからな!!」

先生、驚きすぎですよ。

でも、嬉しいです。

今まで見てきた余裕のある先生はここにはいなくて、私の言葉に顔を赤くしたり焦ったりする、そんな先生を見れる。

だから、凄く嬉しいです。

「先生、好きですよ」

そう言えば先生は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。

ああ、可愛いなぁ……。

その日の夜、私は夢を見ました。

どんな夢だったかは思い出せないけど、凄く悲しい内容だったと思います。

だって、

「おはようって、美里!?なんで泣いてんだ?」

私は泣いていたから。