健さんは、たいした怪我ではないそうだ。

健さんが車にひかれたのは、健さんの不注意だったそうです。

確かに最近先生はいつもぼーっとしていた。

「健さんは、本当にダメな人ですね」

病室の椅子に座って健さんを見る。

「ごめんな。俺の不注意なんだ」

「知ってます。健さん、私はこのままでもいいと思ってました」

健さんは病室のベットの上で首を傾げる。

「だけど、こんなことになるならいい加減やめましょう」

「な、なにいってんだよ?」

動揺で健さんの目が泳ぐ。

「好きなんでしょう?西村さんのことが。好きすぎて、西村さんには会えないだけで事故に遭うなんて……本当に馬鹿ですね」

「は、はぁ?別にそんなんじゃねぇーよ」

「いい加減にしてください!!」

思った以上に大きな声が出てしまいました。

「あなた死にたいんですか!!このままだったら本当に死にますよ!!私はね、貴方が好きなんですよ!だから……だから、あなたには幸せになってほしいんです」

気がつけば椅子から立ち上がって健さんの手を握っていた。