初めて先生と呼ばれた日、俺はヤバイと思った。

他の生徒とは違う。

胸が高鳴った。

俺のこの動揺が西村さんにばれてないか、かなりひやひやした。

このときから俺は、西村さんに他の生徒とは違う感情を抱いていたのだろう。

だから、雨が降った日。

俺は西村さんを車に乗せて帰った。

西村さんは最初、後部座席に座った。

出来れば隣に座ってほしかった俺は適当なことを言って隣に座ってもらった。

冗談を言えば赤くなる頬。

不覚にもときめいてしまった。

俺のことを名前で呼んでほしいと言えば、少し考えてから健さんと呼んだ。

この時の西村さん破壊力は凄かった。

俺がこんなことを考えているなんて思っていないんだろうな。

俺は落ち込みながら西村さんに注意をする。

その後、西村さんは自分のことも名前で呼んでほしいと言った。

頭なかで考えたが、無理だと思った。

名前なんかで呼んだら、もう止められない。

だから、大人の事情なんて言って西村さんを泣かせた。

俺は最低だ。