「……ありがとう。でも、西村さんの気持ちには答えられない」

知ってますよ。

「……先生ありがとうございました」

私は教室を出ようと先生に背を向ける。

あぁ、私がもっと早く生まれていたら先生と恋人になれていたのだろうか。

いや、きっと私が先生と同い年でも、先生は玲奈先生を選んでしまうんだろうな。

私と、先生が付き合える未来はきっと…ない。

「に、西村さん!!」

先生の声が耳元で聞こえる。

先生が私の手掴む。

「……先生ずるいですよ。こんなこと、しないでくださいよ」

先生の体温を背中に感じる。

私は今、先生に抱き締められている……。

「ごめん、俺はずるい男なんだ。だから、俺なんかじゃなくて……もっといい男見つけろよ」

無理ですよ。

だって私……先生が好きなんだから。

「先生、幸せになってくださいね。今までありがとうございました。先生のことが……大好きでした」


私の恋は終わった。