「ありがとうございました」

あの後、会話はなくて家の前まで来てしまった。

もっと話したいことはあるのに。

先生はずるい。

「じゃあ、また明日な」

「はい、失礼します」

車を降りる。

あぁ、雨が冷たい。

「おま、泣いてんのか?」

「……失礼します!」

家に向かって走った。