「そろそろ、入らなきゃ」 時計の短い針は8を指していた。 へぇ、自然豊かな感じ… 意外に好きかもしれないな。 「あ、君だね!暁月 悠くん」 暁月悠?誰だそれ、私知らない。 偽名で呼ばれ初めは気づかなかったが、あんなに大きく手を振られるとね… よくよく見ると可愛らしい少年は私の方に走ってきた。 「僕は、君と同じクラスの夜依 諒(よい まこと)だよ。ん?あれ、いい匂いするね!」 いい匂い?初めて言われた。 今の私にこの意味が分からなかった。