未完成な小説たち。



ーーー昨日の夜


私はいつものように、ソファでくつろぎながらバラエティ番組を見ていた。


「あははは!何これっ!」

面白すぎて思わず声が出ちゃう!




「姉ちゃん、父さんが呼んでいるよ。」

高1の弟、暁月 仁は目も合わせずに歩きながらそう言う。


仁とは、性格が真逆なんだよね。クールすぎるんだよ…



「んー、了解。仁、父さんどんな感じだった?」


「笑っている」

チラッと私を見て、不機嫌な顔をしている。



まて…父さんが笑っている⁉︎


昔から、父さんが笑っていると嫌なことしかなかった。

例えば、会社倒産や引越し、しまいにオレオレ詐欺に引っかかる。



行くの嫌だな…


でも、私には行くしかないのだった。