帰りは独りになった。 グラウンドの前を通った時、足元にサッカーボールが転がって来た。 「あ、ごめんね。確か…いちごちゃんだよね?」 「へ、なんで知ってるんですか?」 「可愛いって、有名だからね。僕は、五十嵐 晴(いがらし はる)だよ。一応、ここのキャプテン」 そう言って、グラウンドの方を指差した。 爽やかな笑顔が、キラキラ輝く。 「あ、そろそろ行くね。また、今度話そっか!」 「あ、はい!さようなら」 頭を下げると、ニコッと笑って手を振ってくれた。 「ばいばい」