愛させろよ。

最初は、可愛らしく始まる。

それから、音は大きく上昇と下降を繰り返す。

音は絡み合い、複雑な模様を描き出す。

一呼吸置いて、新しいフレーズが顔を覗かせる。

スキップするように軽快に、音がかけ上がる。

同じ音型が続くたびに、その頂点の音がどんどん上がっていく。

最後には、その頂点の音だけが響くようになる。

その音は、それからさらに上がっていく。

突き抜ける高音。

俺は息をのんだ。

桐谷藍の結晶が、今ここに立ち現れている。

それは神々しいほどの輝きを放ち、ホールをすっぽり包んでいた。