「わたしは音楽高校を退学になったわ。

自分でも、もう音楽の道は諦めようとしていた。

でも、どうしてもできなかったの。

どんなに目を背けようとしても、わたしのなかに渦巻くものの存在は無視できなかった。

それは解放されることを、表現されることを要求していた。

わたしは逃れようとして、ずいぶんと馬鹿なことをしたわ。

一時期は、ほとんど売春婦だったほどよ。

体を預けている間は、何も考えなくてよかったから」