部活中、桐谷先輩は一度だけ俺のところに来た。

「ねえ相原」

「はい」

「何も質問ないわね?」

「今のところは」

「そう。お盆明けの部活の時までに、全部完璧にしておいてね」

「はい」

少しは気にかけてくれているようで、嬉しかった。