ミーティングの後、桐谷先輩が近づいてきた。

「書いた手紙は式の後渡す」

小声で言うと、足早に立ち去ってしまった。

俺のすぐ横をかすめた黒髪には、もうどんなに願っても近づけない。

先輩の後ろ姿を見ながら、俺は悲しくそう思った。