「もう具合は大丈夫なんですか?」

俺は先輩を見て言った。

「ええ。だいぶね」

確かに、昨日よりはいくらか生気が戻っている。

「それで、クラリネットが無いのが耐えられなくなって、相原に面倒かけたってわけ」

「そうなんですか」