茉莉花先輩はいつも通りふわふわしている。

「あら、こんにちは。啓介くんのお友だち?」

「そうです、あの……長瀬っていいます!」

好きにしてくれ、と俺は思った。

今の俺は、桐谷先輩のことで頭がいっぱいなんだ。

長瀬の一目惚れのお世話をしてやれる余裕はない。