愛させろよ。

顧問の車はホールの駐車場にあった。

白いワンボックスカーだ。

俺は後部座席に先輩を寝かせた。

「先生、先輩をお願いします」

「おう。手伝いありがとう」

顧問は運転席に乗りこみ、車を発進させた。

先輩、元気になってくださいね。

遠ざかっていく白を、俺はずっと見送っていた。