愛させろよ。

歩いているとき、揺れに驚いたのか、先輩が薄く目を開けた。

「……相原…?」

「あ、先輩! 大丈夫ですか?」

顧問が振り向いた。

「お、気がついたか。これから病院行くぞ。親の連絡先を教えてくれ」

先輩は、俺の腕の中で首を振った。

「連絡先は……わかりません」