13時半になった。

「本番まであと30分です! 各自、最終準備をしてください!」

伊藤先輩の声で、練習は終わった。

桐谷先輩は、しぼり出すようなため息をついた。

「先輩……本当に大丈夫なんですか?」

先輩は黙ってうなずいた。

もう声を出す気力すらないのだろうか。