愛させろよ。

先輩はみんなと全く同じに、午前中の練習に参加した。

さすが先輩で、こんな状態でも音の質は変わらなかった。

でも、時間が経つほどに先輩の顔からは色が消えていっていた。

俺は心配でたまらなかった。

やっと12時がきて、伊藤先輩が休憩と言った。

そのとたん、桐谷先輩は椅子の背もたれに全体重を預け、ため息をもらした。