愛させろよ。

ホールに着き、控室に荷物を置くと、伊藤先輩がみんなを集めて言った。

「９時半から12時まで練習をしたら、13時まで休憩をとります。それからまた練習して、14時開演です」

まだ９時半には少し余裕があった。

話が終わった後、俺は桐谷先輩に言った。

「練習時間、結構長いみたいですけど、大丈夫そうですか」

「……わからない。でも……練習は、しないと」

「本番の体力が無くなったら元も子もないですよ」

「そうね……気をつける」

「何かあったら言ってくださいね？」

「ええ……もちろん」