愛させろよ。

もう校門には、楽器を持ってきた人たちが固まっていた。

俺たちがそこに着くのとほとんど同時に、トラックがやってきた。

自分の楽器を抱えて列を作る人たちを、俺たちはぼんやり見ていた。

「桐谷先輩、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ」

トラックには次々と楽器が吸いこまれていった。

ほどなくして、全ての大きい楽器がトラックに収まった。

「出発しましょう!!」

伊藤先輩の声で、みんなわらわらと校門を出た。