「あの、桐谷先輩?」

「あ……ああ、相原。手紙、書いた……?」

「はい、書きました、けど」

やっぱり何かおかしい。

桐谷先輩は、こんなぼんやりした話し方をする人じゃない。

「先輩? あの……大丈夫ですか?」

「え……? 別に、大丈夫、だけど……?」

俺を見上げた先輩の目は、何だか変にうるんでいた。