必死で指揮棒にすがりついていた区間は終わり、やっとゆるやかな場面まできた。

曲の終わりは近い。

桐谷先輩のソロも、どんどん近づいてくる。

俺の大好きな、あのソロ。

ああ、最初と同じメロディーが戻ってきた。

ソロまで、あとほんの少しだ。



その時。