先輩はふと俺を見上げて言った。

「あれ、相原ってこんなに背高かったっけ」

突然のことで、俺は驚いた。

「え……」

「ネクタイがこんな高いところにあるなんて」

「でも先輩も高い方ですよね」

俺の肩に背が届いている女子は、なかなかいないのだ。

「そうね。あと10cm低くてもよかった」

バシーン!!

突然、俺の左耳に爆発音が入ってきた。

「な、何ですか……」

見ると、伊藤先輩だった。