桐谷先輩は、制服のネクタイをきつくしながら続けた。

「服装も、いい加減だったらしめられるわよ」

「どうするのが決まりなんですか」

「ネクタイはゆるめない。時計は外す。袖は暑くてもまくらない……」

規定は微に入り細に入り、先輩の言葉は延々と続いた。

「うわ……多いですね……」

「それだけ厳格ってこと。頑張れ」

面倒くせえ……。

とりあえず、俺はネクタイの結び目に手をやった。