先輩は、驚いた顔をして俺を見上げた。

「相原……」

俺は頭を下げた。

「俺、何か悪いこと言っちゃったんですよね……傷つけたなら、すみません」

先輩の返答は無い。

たっぷり十秒くらい地面と見つめあった後、俺はそろそろと顔を上げた。

「あの……先輩?」

先輩は目を丸くしてきょとんとしていた。

「急にどうしたの?」