「嘘」

桐谷先輩は、俺の言葉をばっさり切り捨てた。

「な、なんでですか」

「相原みたいな、脳みそまで筋肉でできてる体育会系男は、そんなやわな理由では吹奏楽部なんか選ばない」

脳みそまで……のくだりには物申したくはあったが。

図星です先輩。

さあなんて返そう、と思っていると。

「まあいいわ。特に興味があるわけじゃないし」