「あと一ヶ月くらいしかないじゃないですか!」

「そうよ。ふふっ、寂しい?」

「そりゃ寂しいですよ」

「藍ちゃんと仲良くね。啓介くんなら大丈夫と思うけど」

「はい」

そうか、二人きりになるのか。

桐谷先輩を見ると、いつもと同じ表情で緑色の瞳を宙に向けていた。

やっぱり綺麗だよな……ああ、意識すると胸が苦しくなる。

俺は、できるだけ茉莉花先輩の顔に集中しようと努めた。