「桐谷先輩、呼ばれてますけど」

「…………」

やっぱり気づかない。本当に無視ってるのか?

肩をつんつんしてみた。

やっと、桐谷先輩は振り向いた。

「何」

「茉莉花先輩が呼んでますよ、さっきからずっと」

桐谷先輩は、さっと茉莉花先輩の方を向いた。

「すみません、何ですか」