愛させろよ。

先輩はどんどん進んで、昇降口まで来た。

え、外でやるのか。

靴を履き替えて、校舎の壁沿いを歩く。

先輩が止まったのは、昇降口のちょうど反対側で、グラウンドに面した場所だった。

俺が初めて先輩を目にしたところだ。

あの時も、今のように校舎の影がこの辺りを覆っていた。

今日はサッカー部はオフらしく、グラウンドは静まりかえっている。