次の日。

聞いていた通り、初めての合奏があった。

俺はかなり緊張していた。

前の席には茉莉花先輩が、右隣の席には桐谷先輩がいる。

桐谷先輩が俺にささやいた。

「私の音を聞けば大丈夫だから」

茉莉花先輩も、振り向いて言った。

「ほら、そんなにカチコチにならない。あくまで練習なんだからね」

俺は先輩たちにうなずいてみせて、楽譜を見つめた。

頑張れ、俺。