「 ん 」
恥ずかしくて、俺はそれだけしか返事が出来なかった。
繋いでいた手を離し、俺は彼女の前に立つ。
名前を呼ぶと、控えめに顔を上げた。
彼女の唇にキスをする。
優しくするつもりだったのに、ギリギリの理性を保っていて、挙げ句の果てに「好き」だと言われ、俺は俺じゃなくなってしまっていた。
唇を塞いでいても聞こえる、彼女の甘い声。
離すたび、お互いが興奮していると感じる息遣い。
俺はキスをやめて彼女を抱き寄せる。
震え混じりの息を吐きながら「好き」と言った。
彼女も「うん」と俺の体を強く抱きしめ返した。
「 忙しくて、なかなか遊べなくてごめんね 」
俺は彼女の肩に顔をうずめるようにして言った。
彼女は黙って俺を抱きしめる。
遊ばなくても会えなくても、お互いが好き合っていることはわかっている。
だから、俺は彼女という存在があるだけで幸せで、頑張れているということ。

