塾講師の禁止事項




それから、電車に乗って帰った。


途中で彼女は俺の肩にもたれ掛かり、爆睡していたけど。


起こすのは大変だった。
一度寝たらなかなか起きない彼女を起こすのは。






「 夕飯、どっかで食べてく? 」


こんな俺の問いかけにも、寝ぼけて「うん...」と返すだけだった。


寝ぼけていた彼女だけど、近くにあったファミリーレストランに入ると、急に元気になっていたのも事実。



食べ終わった後は、むしろ俺より元気になっている彼女。




「 送ってく 」

「 まだそんな暗くないし、いいよ 」

「 いや、送ってく 」



彼女は「じゃあ、お願いします」と微笑んだ。

食べたばかりで、体が温かいのか、少し頬が赤い。



もう可愛くて、愛しくて、俺の理性はどこかへぶっ飛んでいきそうだった。

が、ここは我慢。





「 ねぇ 」

「 んー? 」



珍しく彼女が静かになっている。
俺が返事をしても、なかなか顔を上げないし、言葉を発さない。




「 どうした? 」



俺が覗き込むと、彼女は下を向いた。


あれ、嫌だったかな。






「 好き 」





小さな声だったけれど、俺の耳にはよく聞こえた。