塾講師の禁止事項




「 入館ー! 」



中に一歩足を踏み入れた瞬間、彼女は声を上げた。




「 恥ずかしいからやめろって 」

「 はーい 」




と言いつつも、俺も笑ってた。
だって楽しすぎるから。




「 どこ行く? 」

「 どこ行こう 」

「 私ペンギン見たい 」

「 順番にまわってこうか 」



俺は彼女の意見を無視して歩いた。




「 あ、待ってよ 」




2、3歩しか進んでないんだけど。

彼女が横に来たタイミングで手を握った。
ほら、小さい子は迷子になりやすいから。




「 あ、魚いる 」

「 水族館だからいるだろ 」




小さい魚や大きい魚。
種類が書いてあったりしたけど、俺にはよくわからない。

見てもどれがどれなのか全く。




「 綺麗だね 」



真っ暗な中、彼女の顔は青に近い水色だった。
波打つ水の色。



「 ...うん 」




彼女の横顔が綺麗で、思わず見惚れてしまう。