塾講師の禁止事項




一番手前の一番端っこの席に座る。




大体は先生1人に対して生徒2人なんだけど。


マンツーマン希望の人は少ない。
なんせ料金倍だからな。


多分、今日優ちゃんとマンツーマンなのは教室長の配慮なのだろう。





「 えーっと、田中優ちゃん? 」




優ちゃんは黙って頷いた。





「 中3なんだ? 」




またもや優ちゃんは頷く。



中学三年生ってあれか。
受験生だもんな、大変。





「 あ、自己紹介 」




俺は首から下げている名札を手にとる。


つーかさっきから俺ばっか喋ってね?
なんか申し訳ない。





「 神谷亮太です 」





俺はにこっと笑う。
俺キモい。



優ちゃんを見ると口元が少し僅かに動いた。

あ、もしかして何か喋る?

注意深く見ていると声が聞こえた。





「 あ...はい 」





やだ俺。
もう死にたい。


「あ、はい」だってさ。