ギャルとメガブス

叫んだ瞬間、私の目からも涙がぽろりと流れ落ちた。

もう、止まらなかった。


ああ、マスカラが落ちる……。

アイライナーが、滲んでしまう……。


絶対に泣かないと決めていたのに。

あくびすら押し殺して、毎日自分が綺麗でいられるように、そればかり気に掛けて、頑張ってきたのに。


今の私ときたら……。

何て惨めで、何て汚いのだろう。

分かっているのに、止まらない涙。


どうしよう……。

どうしよう……。


このままじゃ、メガブスだった過去に、逆戻りしてしまう。


「うるっせーぞ! 静かにしろ!」


近所のマンションの一室から、罵声が響いた。

私はそれにはっとする。