ギャルとメガブス

「俊くん……」


私は思わず俊くんに手を伸ばし掛けた。

俊くんの啜り泣きは、徐々に激しさを増し、大泣きに変わろうとしていた。


嗚咽の合間に、俊くんが叫んだ。


「酷い、酷いよ! 久しぶりにみいちゃんに会って、僕、嬉しかったのに……。

みいちゃん、ヘンテコリンな格好してるし、性格もブスになっちゃったんだ!」


うわぁぁぁぁぁぁん……!


最早堪えることもせず、子供特有の遠慮なしの図々しい泣き喚き。

私はカチンと来た。

怒りのほうが感情の前に出て、不安も恐怖も一気に引っ込んだ。


ヘンテコリン?

ブス?


「みいちゃんなんて……」

「うるっさいわね、このクソガキ!」